<高校無償化>負担増の低所得世帯も 団体費の減免外れて(毎日新聞)

 来年度から高校授業料が無償化される見通しだが、一部の公立では低所得世帯の負担が逆に増えてしまうことが分かった。授業料減免がなくなる影響で、一緒に減免されていたPTA会費などを支払うことになるためだ。教育関係者からは「本末転倒」との声が上がっている。【立山清也、金寿英】

 公立高校には授業料や教材費以外にも、PTAや後援会、生徒会など、年間計数千〜数万円の団体費がある。額や呼び方などは地域・学校ごとに異なるが、自治体の教育予算削減が進む中で、一部を学校運営に回している所も少なくない。

 授業料減免は学校や教委が世帯所得を把握して審査し、多くの学校ではその結果に連動する形で団体費も減免されてきた。だがPTAなどの団体が審査に必要な証明書などを集めることは個人情報保護の観点からも難しい。

 福島県のある高校では来年度以降、全世帯から年約3万円の団体費を徴収することになった。校長は「5年前より生徒が200人も減った。団体費はプリント代や光熱費にもあててきており、減免どころか値上げも提案せざるを得ない。分割してでも納入してもらうしかない」。団体費が年2万円の群馬県の高校では、とりあえず来年度は全員から徴収するという。職員は「保護者から『苦しいので何とかして』という声が出るだろう。せっかく困窮世帯を救済する制度ができるのに、貧困層ほど恩恵を感じられなくなる」とため息をつく。

 一方、神奈川県では県教委と学校側が協議。希望世帯に課税証明書の提出を求めて学校が審査し、減免を続ける方針を固めた。県教委教育財務課は「県としても、困窮世帯こそ不利益のないようにしたい」と説明する。

 現状について、文部科学省高校無償化準備室は「教育費負担の軽減という無償化の趣旨からすれば望ましくないが、国としてはどうしようもない」。三輪定宣・千葉大名誉教授(教育財政学)は「そもそも学校でかかる費用はすべて公費でまかなうべきだ」と指摘する。

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